瀬戸黒茶碗と志野茶碗のプリミティブな力強さに魅かれ、コレクションしています。
瀬戸黒の制御できずに噴出したかのようなプリミティブな造形精神。そして、その野放図さを意識しつつ造形的なバランスをとりながら洗練していった志野。
プリミティブであるからゆえに、非常に繊細な造形精神は、意識した瞬間からパターン化しマンネリ化が始まってしまった。ほんの一瞬の煌めきは、はかなくゆえに私の心を魅了しつづけているのです。
茶碗の解説
茶碗の解説
志野茶碗
轟 宝生
****年作

宝生、独特の丸みのある形と意外なほどの肉厚、そして荒々しく刻まれたひび割れにより、不思議な存在感を放っている。
乳白色の上半部から、下部の灰淡色部への明度の変化は安定感を与え全体的なバランスを保っている
瀬戸黒茶碗
惟川 清純
****年作

惟川 清純の出世作といわ
れている瀬戸黒茶碗。造形
精神の噴出前といったどこか
不安定さを漂わせた作品。と
くに微妙な明度変化や色彩
に危なげなではかなげや清
純の精神構造が見て取れる
ような気がする。
志野茶碗
子比類薪 典周
****年作

豪快な作風の子比類薪の完
成途上の作品。茶碗である
ことの限界ぎりぎりまでにせ
まった作風はまさにこの作品
から始まったと言われてい
る。
丸みを帯びたフォルムは後
期の作品と比較すると甘く、
力強さに欠けるが、手法的な
閃きは既に手中にしたことを
はっきり感じ取られる。



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